そして君は星になった

永遠の魔法をかけて

2018.04.15



悪い夢でもみているんじゃないか、とおもう。夢なら醒めてほしい。


やけに現実味のない会見を見たあと、 湯船にぼんやりと浸かってうつらうつらしていたけれど、一向に夢が醒める気配はなかった。


わかってる、夢ではないことを。


いやというほど思い知っていたはずだった。この世に当たり前も永遠もない。

でもどこかで過信していた。唐突に変な週刊誌の記事が出たって、もっと信憑性のある記事で火消ししろよ、と笑い飛ばしていた。あり得ないとおもっていた。15日の朝8時までは。


目覚めてTwitterを見てみたら、前夜、大倉くんのラジオでの発言が注目を集めていた。もっと言えば、その日にはJ-webに注意喚起の文言が掲載されていた。

そこまでして事務所や当人たちが必死にならなくてはいけないほど、世間はずっとざわめいていたのだとそのときようやく知った。だってあんな記事あり得ない。誰よりも関ジャニ∞というグループに対して情熱と信念を持ってる人なんだから。そうおもっていた。


騒然とし始めたのはそれから1時間半後だった。もう、そこからわたしはずっと生きた心地がせずにいる。日曜の朝の二度寝から醒めていないんじゃないかと、もうすぐまた日が昇るというのに真剣に考えていたりする。


もしくはクロニクルの悪趣味な企画なのかな、とか。世間を大々的に巻き込んだ壮絶なドッキリ?だとしたら、フジの品を疑う、けれど心は救われる、のに。



オタクをやっていると、ときどき時間を強制的に止められてしまうことがある。そうして時空が歪んで、心の中にひずみができてしまうことがある。


その止められた時間がある人は、それぞれいろんなところで止まっている。

それは2005年7月15日かもしれないし、2013年3月29日かもしれない。ほかにもきっと、その人の中で止められてしまったなにががあるはず。


わたしは、2011年10月7日でひとつの世界線の時間が止まってしまったうちの一人。

けっきょく、うまく折り合いをつけようとしたけれど、どうにもできずに気づいたら時空が歪んでいた。


世界線が、心が、ひずんだ原因。それはきっと「正しい答えを与えられなかった」ことにあるんだと、つい3年ほど前に気づいた。


ここであらかじめ断っておくけれど、今回渋谷さんが発表したことと錦戸亮が発表したことはまったくもって状況も理由もなにもかも異なる。比較するようなことでもない。それは重々承知のうえで、それでも引き合いに出すことをゆるしてほしい。


錦戸亮はNEWS脱退発表時、「関ジャニ∞とNEWSの掛け持ちはどちらのグループへも負担をかけてしまう。だからNEWSを脱退する」とだけコメントしていた。わたしたちに本人から与えられた言葉はこれだけだ。あるとすれば唯一、その後の雑誌のインタビューで今の自分がNEWSを語るのは間違い、というようなニュアンスの発言をしたのみ。


たしかに掛け持ちの活動は目に見えて負荷が大きいようだった。

それは本当にそうなんだろう。だれしもが理解していた。

だけどわたしたちは、いつからそう考えていたのか、漠然としたものが前からあったのなら確固たるものになったのはいつからだったのか、メンバーとはどれだけ話し合ってきたのか、詳細について錦戸亮本人からはなにも聞かされていない。


だからこそファンの間ではさまざまな憶測が生まれたし、いまでもいろんな面で亀裂が残っているのを感じる。


錦戸亮は「言わない」選択をした。

それは自分が正解を話してしまうことで、誰かの希望が間違いとして潰れてしまうことを危惧したからなのかもしれない、と最近は理解している。


いろんな立場の、いろんな人な憶測を内包して、自分だけで背負い込む決意をしたのかもしれない。

でも、だからこそ煮え切らない気持ちが残ってしまう部分もある。そういう、心残りみたいなものが結局、尾を引いて時空を歪め、止めてしまうのだ。


その点において、今回の渋谷さんの発表は完璧だった。

いつから、どうして、今後は?

時系列も含めて知りたいこと、メンバー全員の想いまですべて話してくれた。


強がりの言葉もあったかもしれない。それでも、もう6人全員が、渋谷すばるという一人の男の夢を叶えさせようと背中を力強く押している。

こんなに潔いことってない。

かなしいし、さみしいし、関ジャニ∞を選んでくれなかったことは悔しい。

10年後も50年後もヨボヨボのおじいちゃんになったって、関ジャニ∞としてステージに立ち続けるもんだとおもってた。


でも、納得せざるを得ない発表だった。そんなに強い気持ちなら、あなたたちがみんなで決めたことなら、もう、がんばっておいでよって背中を押すしかないんだとおもった。


無駄な憶測も邪推も必要ないほどたくさんのまっすぐな言葉を与えられて、残されたのはただ泣くということだけ。



いつか、こんなこともあったねと、みんなで笑える時がくるのだろうか。

きっと時間はこの痛みを癒してはくれない。

癒してくれるものがあるのならそれは、未来の彼らの笑顔だけなんだろう。